神主の独り言

ご存知ですか?「桃」の意外な効果

三月と言えば、桃の節句。実は、桃には邪気を払う「魔除け」の効果があります。数々の神様が登場する『古事記』にもそのエピソードが描かれています。
伊邪那岐命(イザナギノミコト)が、亡くなった妻の伊邪那美命(イザナミノミコト)を連れ戻しに黄泉の国へ行った時のこと。妻は夫に「私の姿を見てはならない」と言いますが、その禁を破ってしまいます。ウジがわいた妻の姿を見て驚いて逃げると、怒った妻は夫を黄泉の鬼女に追わせます。そこで桃の実を投げて鬼女から逃げ切ったというお話です。
『古事記』にも登場する魔除けの桃。その花を雛祭りで飾る理由には、「厄災を除け、我が子が健やかに成長するように」という日本人らしい心遣いが垣間見えますね。
福島県いわき市好間町に鎮座する好嶋熊野神社の禰宜、吉田定聡さんの「独り言」を毎月お届け。
好嶋熊野神社
住所:いわき市好間町上好間字小路1
TEL:0246-36-3354